ガス代 (Gas Fee)

イーサリアムなどのブロックチェーン上で取引やスマートコントラクトを実行する際に支払う手数料。

ガス代(Gas Fee)とは、

ブロックチェーン上で取引やスマートコントラクトを実行するときに支払う手数料のこと。

Ethereumなどのネットワークで代表的に使われる概念です。

🔹ガス代(Gas Fee)の基本

ブロックチェーンでは、トランザクション(送金・契約実行など)を処理するために

ノード(特にバリデータやマイナー)が計算リソースを使います。

その報酬として支払われるのが「ガス代」です。

💡例:銀行送金の「振込手数料」に近い。

🔹用語の整理

用語

意味

Gas

処理に必要な計算量の単位(CPUやメモリ使用量)

Gas Price

1Gasあたりの価格(通常は「Gwei」で表す)

Gas Fee

Gas × Gas Price = 支払う総額(ETHなど)

🔹計算式

Gas Fee = Gas × Gas Price

例:

Gas = 21,000(通常のETH送金)

Gas Price = 30 Gwei(1 Gwei = 0.000000001 ETH)

👉

21,000 × 30 Gwei = 0.00063 ETH(約200円前後)

🔹ガス代が発生する主な操作

操作

説明

ガス消費量の目安

ETH送金

アドレス間の単純な送金

約21,000Gas

トークン送金(ERC-20)

コントラクト経由の送金

約50,000〜100,000Gas

NFT発行(Mint)

新規トークン生成

数十万Gas以上

DeFi操作

スワップ・ステーキング等

数十万〜数百万Gas

🔹ガス代が変動する理由

ガス代は固定ではなく、需要と供給によって常に変動します。

原因

内容

トランザクション混雑

多数の取引が同時に行われるとGas Price上昇

ネットワーク負荷

DeFiやNFTの利用増加で混雑

ブロックサイズ

1ブロックに入れられる取引数の上限がある

EIP-1559実装後

Base Fee+Priority Fee(チップ)の構成に変更

🔹EIP-1559による仕組みの変化

EthereumのEIP-1559(2021年導入)では、

ガス代の仕組みが以下のように改良されました。

項目

内容

Base Fee

ネットワーク混雑度に応じて自動調整。バーン(焼却)される。

Priority Fee(Tip)

マイナー・バリデータへの追加報酬。

Max Fee

ユーザーが支払う上限額。

この結果、

・ガス代の見積りがしやすくなる

・ETHのバーン(供給減少)によってデフレ効果が生まれた

🔹ガス代を節約する方法

方法

内容

取引時間を選ぶ

混雑の少ない深夜〜早朝を狙う

Layer2利用

Arbitrum・Optimism・Polygonなどで手数料を削減

バッチ処理

まとめて送金・スワップする

ガス上限調整

不要に高い設定を避ける