暗号資産の貸し借りを行うDeFiプロトコル。
💸レンディングプロトコル(Lending Protocol)とは
レンディングプロトコルとは、ブロックチェーン上で仮想通貨の貸し借りを自動で行う分散型金融(DeFi)サービスのこと。
銀行のような中央管理者を介さず、スマートコントラクトによって貸借関係が自律的に実行されます。
🔹基本構造
レンディングプロトコルは、利用者の資産を集めて「プール化」し、
その資金を借りたい人に貸し出す仕組みです。
役割
内容
貸し手(Lender)
仮想通貨を預け、利息収入を得る
借り手(Borrower)
担保を預けて仮想通貨を借りる
スマートコントラクト
貸借・担保・金利を自動管理
🔸レンディングの流れ
貸し手がETHやUSDTなどをプロトコルに預ける
プロトコルはそれを貸出用プールに集約
借り手は別の資産(例:ETH)を担保として預け入れ
スマートコントラクトが自動的に金利を算出・貸出実行
借り手が返済すると、貸し手に利息が分配される
🔹主なレンディングプロトコル
プロトコル名
特徴
Aave
可変金利・固定金利を選べる。フラッシュローン機能あり。
Compound
利率が自動で調整される市場モデルを採用。
MakerDAO
DAI(ステーブルコイン)発行のための担保型レンディング。
Venus(BNB Chain)
BNB系チェーン対応。高速・低コスト。
🔸金利(APR / APY)の仕組み
レンディングの利率は、需要と供給で自動的に変化します。
借りたい人が多い → 金利上昇
預ける人が多い → 金利低下
また、利息は**複利(APY)**で再投資される場合が多く、
長期運用ほど利回りが高くなります。
🔹担保と清算(リスク管理)
レンディングプロトコルでは、借り手が担保を預けることが必須です。
この担保は**LTV(Loan-to-Value)**という比率で管理されます。
LTVが上限を超える(担保価値が下落)と、
スマートコントラクトが**自動清算(強制売却)**を実行。
これにより貸し手の資金が守られます。
🔸代表的な担保資産例
資産タイプ
例
ステーブルコイン
USDT、USDC、DAIなど(安定運用)
メジャー通貨
ETH、BTC、BNBなど
DeFiトークン
AAVE、COMP、UNIなど(リスク高)
🔹レンディングプロトコルのメリット・デメリット
項目
貸し手
借り手
メリット
銀行より高い利息
銀行審査なしで借入可能
デメリット
清算リスク・プロトコルハッキング
担保過剰・価格変動リスク
🔸有名なハッキング事例(リスク理解)
Cream Finance(2021):フラッシュローン攻撃で1億ドル超流出
bZx(2020):オラクル操作による価格操作攻撃
→ 対策として、現在は分散型オラクル(Chainlinkなど)や監査済スマートコントラクトが採用されている。
🔹まとめ
項目
内容
定義
仮想通貨をスマートコントラクトで貸し借りする仕組み
代表例
Aave、Compound、MakerDAO
金利方式
市場需給で自動変動(APR/APY)
担保方式
過剰担保+自動清算
主なリスク
清算・ハッキング・価格変動