メインのブロックチェーンとは独立して存在する別のブロックチェーン。負荷軽減や機能拡張に利用。
🧩サイドチェーン(Sidechain)とは
サイドチェーン(Sidechain)とは、メインのブロックチェーン(メインネット)と並行して動作する独立したブロックチェーンで、
メインチェーンと資産やデータを双方向にやり取りできる補助的なネットワークのことです。
主にスケーラビリティ(処理能力)向上や手数料削減を目的に設計されています。
🔹仕組みの概要
サイドチェーンは、メインチェーンと「ブリッジ(Bridge)」で接続され、
トークンをロック&ミントすることで価値を移動させます。
処理の流れ(例:BTCのサイドチェーン利用)
ユーザーがメインチェーン上でBTCをロックする
サイドチェーン上で同量の「WBTC(ラップドBTC)」をミント(発行)
サイドチェーン内で高速・低コスト取引が可能
利用後、WBTCをバーン(焼却)し、ロックされたBTCを解除(戻す)
🔸サイドチェーンの目的
課題
サイドチェーンでの解決
トランザクションの遅延
独立チェーンで高速処理
高いガス代
独自トークン経済で安価に実行
機能制限
独自ルールやスマートコントラクトを柔軟に実装
拡張性の不足
アプリ別チェーンを追加可能(モジュラー構造)
🔹代表的なサイドチェーン
サイドチェーン名
ベースチェーン
特徴
Polygon PoS
Ethereum
高速・低コスト。多数のDAppsが稼働。
Ronin
Ethereum
ゲーム特化型(Axie Infinity専用)
Liquid Network
Bitcoin
取引所間の高速送金向け
SKALE
Ethereum
dApp専用サイドチェーンを提供
🔸サイドチェーンとレイヤー2の違い
比較項目
サイドチェーン
レイヤー2
セキュリティ
独自のコンセンサスで運営
メインチェーンのセキュリティを継承
接続方法
ブリッジ経由(資産転送)
メインチェーン上に直接書き込み
独立性
高い(独立チェーン)
低い(補助構造)
代表例
Polygon PoS, Ronin
Arbitrum, Optimism
👉 つまり、サイドチェーン=独自チェーン型拡張、
レイヤー2=メインチェーン直系の拡張。
🔹コンセンサスアルゴリズム
サイドチェーンは独自のコンセンサスを持てるため、
高速・安価な処理を実現できます。
例:
PoS(Proof of Stake)
DPoS(Delegated PoS)
PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)
🔸サイドチェーンのメリット・デメリット
区分
内容
メリット
取引高速化、ガス代削減、柔軟な機能実装
デメリット
メインチェーンのセキュリティを継承しないため、ハッキングリスクが高い
特にブリッジ部分が脆弱だと、資産が流出するリスクがあります。
(例:Ronin Networkで約6億ドルのハッキング事件)
🔹まとめ
項目
内容
定義
メインチェーンと接続する独立した補助ブロックチェーン
目的
処理速度向上・ガス代削減・機能拡張
代表例
Polygon、Ronin、Liquid
注意点
セキュリティは独自運営で保証される