
APR(Annual Percentage Rate:年換算利回り)は、投資や借入における 「単純利息ベースでの年間利回り」 を示す指標。クリプト領域では、ステーキング・レンディング・流動性提供(LP)などでよく表示される。
1. APRの基本定義
APR = 「1年間で得られる利息/元本 × 100%」
計算式’APR = \frac{\text{利息(年間換算)}}{\text{元本}} \times 100
複利は考慮しない(利息を再投資しない前提)。
2. クリプト領域での使われ方
ステーキング:ネットワークにトークンをロックすることでAPRが表示される。
レンディング:貸し出した仮想通貨に対する年利がAPRで示される。
DeFiの流動性プール(LP):提供した資産に対する取引手数料や報酬の予測値をAPRで表す。
3. APRとAPYの違い
APR:単利ベース。再投資を前提にしない。
APY(Annual Percentage Yield):複利ベース。利息を再投資した場合の実質利回り。
関係式(年利APRを n 回複利すると仮定):
APY = \left(1 + \frac{APR}{n}\right)^n – 1
例:APR = 100%、日次複利(n=365)の場合
APY = (1 + 1/365)^{365} – 1 \approx 171.8%
4. クリプトでAPRを見るときの注意点
変動リスク:APRはプロトコルの状況により随時変動。特に流動性マイニングは報酬が減少することが多い。
トークン価格リスク:APRが高くても、報酬トークンの価格下落で実質利回りが低下する。
インパーマネントロス(LPの場合):利回りより損失の方が大きくなるケースあり。
プロトコルリスク:ハッキング、バグ、運営不正で元本が失われる可能性。
5. まとめ
APRは「年利換算の単利」であり、複利は考慮しない。
APYは「複利を加味した実利回り」。
高APRは一見魅力的だが、トークン価格やプロトコルの安全性を含めた総合的判断が必要。