OTC取引(Over-The-Counter取引)は、取引所を介さずに当事者同士が直接売買する取引方式。暗号資産や株式、債券、デリバティブ市場で広く使われる。
1. 基本定義
- 取引所外取引とも呼ばれる。
- マッチングは中央市場(例:Binance, Coinbase, 東証)を通さず、ブローカーや相対交渉で行う。
- 暗号資産では「大口取引」を中心に利用される。
2. 特徴
- 柔軟性
- 当事者間で数量や価格を自由に決定可能。
- 大口対応
- 取引所板に直接出すと価格が滑る(スリッページ)。OTCなら回避できる。
- 流動性確保
- 市場価格に影響を与えずに数百万〜数千万ドル規模を取引できる。
- 匿名性(場合による)
- P2Pでの取引は匿名性が高いが、規制準拠の業者はKYC必須。
3. 暗号資産におけるOTCの利用場面
- 機関投資家や富裕層:BTCやETHを大量購入/売却する場合
- マイナー(採掘者):採掘したコインを取引所に影響を与えず売却
- 流動性提供者やヘッジファンド:価格変動を避けて資産移動
4. メリット
- 市場価格に与える影響が少ない
- 大口でも短時間で約定可能
- 条件(価格・決済通貨・清算タイミング)を柔軟に設定できる
5. デメリット / リスク
- 信用リスク:相手が約束通り決済しない可能性(対策=エスクローや信頼できるブローカー利用)
- 透明性の低さ:取引所と違い、価格が公開されない
- 規制リスク:国によってはOTCが未整備でグレーゾーン
6. 暗号資産OTCサービスの例
- 取引所系:Binance OTC, Coinbase Prime OTC
- 専門業者:Genesis Trading, Cumberland
- P2P系:LocalBitcoins(終了済)、Paxful
まとめ
OTC取引は「取引所を通さない大口売買手段」。価格影響を避けられる一方で、信用リスクや透明性不足が課題。暗号資産市場では特に機関投資家や大規模マイナーに利用されている。